試合でゴールを決められる選手は、チームの勝利に欠かせない存在です。しかし、シュートが狙った位置に飛ばなかったり、威力が足りず簡単に止められたりする経験も多いのではないでしょうか。
保護者としても、子どもがゴールを決める姿が見たいと思う方は多いはずです。
実は、正確で力強いシュートを打つには、いくつかの重要なポイントがあります。正しい蹴り方を習得し、身体の使い方を理解すれば、シュート力はぐんぐん伸びていくでしょう。
本記事では、現役ストライカーコーチ監修の下サッカーのシュートを上達させるコツを解説します。

TORIDENTEストライカースクール代表
比嘉 大夢(ひろコーチ)
関東と沖縄を拠点とする「TORIDENTEストライカースクール」の代表。SNS総フォロワー18万人。小学生からサッカーを始め、中学時代にはJ下部組織に所属。高校時代には選手権出場経験があるほか、プリンスリーグチーム内得点王・アシスト王を記録。これまでパーソナルレッスンで300名以上の小学生を指導実績あり。
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サッカーのシュートを上達させるコツ
サッカーのシュートの成功率を高めるには、正しい基礎技術を身につけることが重要です。ここでは、サッカーのシュートを上達させるための3つのコツを解説します。
- 正しいフォームを身につける
安定した姿勢でボールを捉えて精度を上げる - 軸足と体の向きを安定させる
体重移動をスムーズにして蹴り抜きを安定させる - ボールのミートポイントを意識する
芯を外さず狙った方向へ力を伝える
ここで解説している内容は、以下のYouTube動画でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
1.正しいフォームを身につける
正確で力強いシュートを打つためには、まず正しいフォームを理解し、習慣化させましょう。
シュートを打つ際に身体の軸がぶれるとボールに十分なパワーが伝わらず、狙った方向から外れてしまいます。正しいフォームを身につけるために、以下のポイントを意識してみてください。
- 軸足の位置を安定させる
- 上半身のバランスを保つ
- インパクト時に視線を下げる
軸足はボールの真横よりわずかに後ろへ置くと、蹴り足が自然に振り抜けてボールを強く押し出せます。蹴り足を振り抜く際には、上半身のバランスを保ちながら軸足の位置を安定させることが重要です。
さらに、インパクトの瞬間は目線を下げてボールを正確に捉える意識を持ちましょう。
一度に多くを変えようとせず、動画撮影などで姿勢を確認しながら少しずつ修正すると無理なく身につきます。
2.軸足と体の向きを安定させる
シュートの威力を高めるためには、軸足と体の向きを安定させることもポイントです。
軸足は「足1個分」、体は「ゴールにへそを向ける」イメージで打つと、力強く安定したシュートを打てます。

軸足が近すぎても離れすぎても、良いシュートは打てません。ほかにも以下3つのポイントを意識して、シュートを打ちましょう。
- 軸足をボールの真横に置く
- 上半身と骨盤を同じ向きに保つ
- 軸足に体重を乗せる
軸足はボールの真横に置き、つま先をゴール方向へ向けると身体がぶれにくくなります。肩と腰を同じラインに保つことで蹴り足の振り抜きがスムーズになり、力を効率よく伝えられるでしょう。
また、軸足に体重を乗せると、さらに力強いシュートが打てます。
3.ボールのミートポイントを意識する
強く正確なシュートを打つためには、ボールのどこを蹴るかを明確に捉えることが重要です。
足の甲でボールの中心をしっかりミートすると、無駄な回転を抑えてまっすぐ飛ばせます。


インパクトの瞬間は視線を下げて接点を確認し、蹴った後も足を最後まで振り抜くことで力がボールへ確実に伝わります。
練習時はターゲットを設定して、同じ位置を繰り返し蹴ると、狙ったミートポイントを身体で覚えられます。
サッカーのシュートの種類
サッカーのシュートには、いくつかの種類があります。試合で得点を狙うには、状況に合わせてさまざまなシュートを使い分けることが鍵です。
ここでは、サッカーのシュートの種類を紹介します。
- インステップシュート
足の甲で強く蹴り込みパワーを出す - インサイドシュート
内側で当てて正確にコースを狙う - ボレーシュート
空中のボールをダイレクトで打つ - ミドルシュート
中距離から鋭くゴールを狙う - ロングシュート
遠距離からゴールを狙う
1.インステップシュート
インステップシュートは、足の甲全体でボールの中心をとらえ、強いパワーを生み出すシュートです。
つま先をしっかり下げて甲を立て、軸足をボールのやや横に置くことでぶれを防げます。インパクト時に身体をやや前傾させると、余計な回転がかからずまっすぐ伸びる弾道を描けます。
試合では遠い距離からでも威力のあるシュートが打てるため、ゴールキーパーにとって脅威となります。
2.インサイドシュート
インサイドシュートは、足の内側でボールをとらえ、コントロール重視で正確に狙えるシュートです。
軸足をボールの真横に置き、膝とつま先をゴール方向へ向けることで安定したフォームを保てます。足首をしっかり固定し、内側の広い面で押し出すように蹴ると、無駄な回転が少なく狙ったコースへ真っすぐ飛ぶでしょう。
ゴール前でキーパーの動きを見ながらコースを打ち分けたい場面や、味方からのパスを素早く流し込む場面で使えます。
4.ボレーシュート
ボレーシュートは、空中に浮いたボールをダイレクトで蹴り込み、ゴールを狙うシュートです。
軸足の位置を安定させ、身体をやや前傾させて足の甲で中心を捉えると、無駄な回転を防ぎ鋭い弾道を生み出せます。インパクトの瞬間に目線をボールから外さないことが重要で、振り抜きをしっかり行うことで威力が向上します。
クロスやこぼれ球など一瞬のチャンスをものにする場面で効果を発揮し、試合展開を変える得点源となるでしょう。
5.ミドルシュート
ミドルシュートは、ゴールまで17~30メートルのペナルティエリア外から放つ中距離のシュートです。
軸足をボールのわずかに後ろへ置き、上半身をやや前傾させることで強いパワーをボールに伝えられます。助走のスピードを一定に保ち、足首をしっかり固定して足の甲で中心をミートすると、伸びのある弾道が生まれます。
守備が整う前に素早く打つ判断力も重要で、キーパーが前に出ている状況では特におすすめのシュートです。
6.ロングシュート
ロングシュートは、ゴールから30メートル以上離れた遠い位置から放つシュートです。
助走をやや長めに取り、身体全体で勢いを生み出すことが重要です。軸足をボールの少し後方に置き、上半身を前傾させて足の甲で中心をしっかりミートすると、無駄な回転を抑えて伸びのある弾道を作れるでしょう。
決まる確率は高くないですが、キーパーの位置や守備の隙を素早く見極め、スペースがあるときに積極的に狙うことで試合を一気に動かす得点チャンスにつながります。
ロングシュートが打てるようになりたい方は、以下の動画もご参考ください。
サッカーの試合でシュートを決め切るためのコツ
試合でシュートを決め切るためには、瞬時の判断と素早い動作が重要なポイントになります。
ここでは、サッカーの試合でシュートを決め切るためのコツを解説します。
- トラップから素早くシュートにつなげる
ファーストタッチ後すぐに振り抜き守備を崩す - ワンタッチシュートでゴール前の隙を突く
タイミングを合わせ一瞬で決定機を作る - プレッシャー下でも落ち着いて打つ
相手に寄せられても冷静にフォームを維持する
1.トラップから素早くシュートにつなげる
ゴール前で確実に得点するには、ファーストタッチからシュートまでを一連の動きで仕上げるスピードが重要です。
ボールを受ける前に周囲を確認し、蹴るコースと次の動きをあらかじめ決めておくと迷わず動けます。トラップは足元で完全に止めず、シュートしやすい位置へ自然に運ぶイメージを持つとよいでしょう。
- 受ける前に周囲を確認する
- 足元で止めすぎない
- 軸足を素早くセットする
軸足を素早くセットし、身体を開かずに振り抜けば相手が寄せる前にシュートを放てます。練習ではパススピードを変えたり守備役をつけたりして、試合に近い状況で反復することがおすすめです。
トラップが苦手な方は、以下の動画をご参考ください。
2.ワンタッチシュートでゴール前の隙を突く
ワンタッチシュートとは、味方から届いたボールを止めずに最初のタッチでゴールへ打つシュートです。
ボールをトラップしない分、守備が寄せる前に打ち切れるので、キーパーの反応時間も削れます。
上手く決めるコツは、ボールが来る前に狙うコースを決め、身体の向きを先に整えておくことです。軸足を早めに踏み込み、足首を固定して内側や甲の広い面でしっかりミートするとコントロールが安定します。
パスの出し手と「ここで出す」という合図を共有し、同じリズムで繰り返すとタイミングが身体に染み込みやすいでしょう。
3.プレッシャー下でも落ち着いて打つ
試合の大事な場面では、相手ディフェンスやゴールキーパーの圧力で慌ててしまい、フォームが崩れて狙い通りに蹴れないことがよくあります。
そんな状況でも落ち着いてシュートを打つには、まず呼吸を整えて視線をボールに集中させることが大切です。相手の動きに気を取られすぎず、自分のフォームを最後まで崩さない意識を持ちましょう。
また、普段の練習からわざとディフェンスをつけてもらい、試合と同じ緊張感で繰り返すと、本番でも冷静にプレーできるようになります。
監修者からのコメント

比嘉 大夢(ひろコーチ)
TORIDENTEストライカースクール
試合でゴールを決めるには、上手く蹴るだけでは足りません。ファーストタッチから一気に振り抜く速さ、パスが来た瞬間に迷わず打つ決断、相手が迫っても崩れないフォームが大切です。日ごろから周りを見て動き、試合のような練習を重ねれば「ここだ」と感じた瞬間に身体が自然と反応するようになります。自信を持ってシュートを打てるよう、繰り返し練習しましょう。
サッカーのシュート力を伸ばす練習8選
サッカーのシュート力を伸ばすためには、繰り返し練習をすることが大切です。
ここでは、シュート力がぐんぐん上がる練習を8つ紹介します。
- 5タッチボレー
5タッチ目でシュート - ドライブボレー
ワンバウンドでボレーシュート - ショートバウンドボレー
ショートバウンドでボレーを打つシュート - ケンケンシュート
3回ケンケンをしてから打つシュート - ドリブルからシュート
ドリブルから打つシュート - 反転シュート
背を向けた状態から反転してシュート - バルサ式シュート
反転とショートの浮き玉バージョン - 縦パスシュート
縦パスを受けてからのシュート
ここで紹介している練習は、以下のYouTubeで紹介しているので、実際に動画を見ながら動きをチェックしてみてください。
1.5タッチボレー

5タッチボレーは、必ず5タッチでシュートを打つ練習です。
リフティングの動作から4タッチ目でボールをやや高く上げ、5タッチ目にゴールへ蹴るイメージです。とくに、4タッチ目でどこにボールを上げるかによって、シュートの打ちやすさが変わります。
5タッチボレーの練習を行えば、リフティングの安定性や蹴りやすい場所に置く技術を養うことができます。
意外と難しいトレーニングですが、ぜひチャレンジしてみてください。
2.ドライブボレー

ドライブボレーは、手で投げたボールに対してワンバウンドでボレーシュートを打つ練習です。
ボレーシュートとは、先ほども説明したとおり、空中に浮いたボールをダイレクトで蹴り込み、ゴールを狙うシュートです。
ボールが落ちてきたタイミングに合わせて、足を振りに行くことがポイント。足を振る際は、ややアウトにかけるイメージで蹴ると上手くできます。
3.ショートバウンドボレー

ショートバウンドボレーは、手で投げたボールに対して、ショートバウンドでボレーを打つ練習です。
ドライブボレーは空中に浮いたボールを蹴るのに対し、ショートバウンドボレーではボールが地面に着いた瞬間に蹴りに行くことがポイントです。また、軸足側にはしっかり体重を乗せることを意識しましょう。
ショートバウンドボレーは、タイミングが命ともいえます。
少しでもタイミングが遅れてしまうと、ボールの下をインパクトしてしまい、ホームランのシュートになってしまうため、しっかりタイミングを合わせて蹴ってみてください。
4.ケンケンシュート

ケンケンシュートは、置いたボールに対してケンケンを3回してからシュートを打つ練習です。
とくに、3回目のケンのときが重要で、しっかり足をズラすことによって、横にスピードアップできます。
マーカーやコーンなどを置いて練習するのがおすすめです。
5.ドリブルからシュート

ドリブルからシュートは、コーンや障害物をドリブルで交わしてシュートを打つ練習です。
ドリブルはどのような種類でも問題ありません。抜く瞬間にスピードを上げることがポイントです。
6.反転シュート

反転シュートは、ゴールに背中を向けた状態から反転してシュートを打つ練習です。
インサイドでのターンとアウトサイドでのターンを行ってみましょう。足のつき方を意識して、素早い反転からシュートを打つことを意識してみてください。
7.バルサ式シュート

バルサ式シュートは、反転とショートの浮き玉バージョンです。
浮き玉はショートバウンドのタイミングで足をかぶせると、トラップがしやすくなります。こちらも、インサイドとアウトサイド両方のターンにチャレンジしてみましょう。
8.縦パスシュート

縦パスシュートは、自分で縦にパスを出して打つシュートです。
小学生は、縦に転がってきたボールを打つのが苦手な傾向にあります。そのため、縦にパスを受けたことを想定して繰り返し練習してみましょう。
ニアとファーを上手く狙い分けながら、練習してみてください。
サッカーのシュート練習におすすめな道具
サッカーのシュート練習をする際は、環境を整えることで質の高い練習を行えます。
ここでは、サッカーのシュート練習におすすめな道具を紹介します。
- サッカーボール
2〜3球用意しておくとよい - ポータブルゴール
組み立て式で庭先でも練習できる - ターゲットマーカー
コース精度を高める練習として活用できる - マーカーコーン
動きを意識した練習に活用できる
1.サッカーボール
シュート練習では、試合と同じ感覚で蹴れる公式サイズのサッカーボールを使うことが大切です。
- 幼児:3号球
- 小学生:4号球
- 中学生以上:5号球
スポーツショップには、1,000円未満で買えるような安いボールが売られていることもありますが、本気で上達を目指したいならおすすめできません。
一方、質の高いボールは反発や重さが安定しており、正確なミート感覚や蹴り心地を養いやすくなります。
練習用に2〜3個そろえておくと反復回数を増やせ、フォームづくりや足元の感覚を効率よく身につけられます。

2.ポータブルゴール
ポータブルゴールは、組み立て式のサッカーゴールです。
サッカーゴールがある場所は限られていますが、ポータブルゴールがあれば、場所を選ばず組み立てて練習できます。
折りたたみ式やワンタッチ式を選べば、公園や自宅の庭でも短時間で組み立てられます。公式サイズより小さめのゴールを使うと狙うコースが自然に絞られ、シュートの精度や決定力を高めやすくなるでしょう。
軽量タイプでも固定用のペグや重りを併用すれば安定感が増し、強いシュートでも動きにくく安全です。持ち運びが簡単なので、練習環境を問わず本格的なシュート練習を行えます。

3.ターゲットマーカー
ターゲットマーカーは、ゴールの四隅や特定の位置にマーカーを設置して狙いを定めることで、シュートの精度を高められる練習道具です。
ネットに取り付けるタイプや地面に置くタイプがあり、目的に合わせて選べます。小さなターゲットを狙うことでミートポイントの集中力が養われ、試合での決定力アップにつながります。
持ち運びも簡単で、練習ごとにコースを変えて配置すればさまざまなシチュエーションを再現できます。

4.マーカーコーン
マーカーコーンは、シュート練習だけでなく、ドリブルやステップワークのコースづくりにも役立つトレーニング道具です。
コーンを並べてジグザグに走ったり、素早い切り返しを取り入れたりすることで、シュート前の動き出しや体勢づくりが鍛えられます。ゴール前に障害物として置けば、ディフェンダーを想定した実戦的な練習も可能です。
軽くて持ち運びやすく、配置を自由に変えられるため、自主練からチーム練習まで幅広く活用できます。

サッカーのシュートを上達させるなら「TORIDENTEストライカースクール」

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【まとめ】シュートのコツを掴んでサッカーの試合でゴールを決めよう
サッカーでゴールを決める力は、日々練習を積み重ねることで着実に身につけられます。
小学生や中学生のうちにシュート力を身につけておくことで、将来は点を量産できるストライカーを目指せるでしょう。
また、お子さんのシュート力を高めるためには、練習環境を整えてあげることも大切です。シュート練習はなかなか難しいものですが、ポータブルゴールなどを用意してあげれば庭先でも練習気できます。
本記事で紹介したシュートのコツを意識して、サッカーの試合でゴールを決められる選手を目指しましょう。